シマダヤの社史
商品開発史
1931年
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1949年
1951年
1965年
1980年
1988年
1997年
2003年
2015年
2018年
2019年
“めんのシマダヤ”の誕生
1931年、創業者の牧清雄が18歳の時に愛知県名古屋市中区(現・昭和区)において米穀商・島田屋商店を創業しました。競合との販売合戦や「一等米と偽って二等米を販売している」というデマを流される中、清雄はすべての米を二等米の価格で販売し、サービスを充実させました。また、チラシを用いた宣伝や、隣の三好村の米を「三好米」と銘打ち販売する現在のブランド戦略など、独自の商法に取り組みました。
商売は順調に発展しましたが、米穀統制法による強制休業や、戦争・地震による工場被災など時代の荒波を受けました。終戦後、清雄は1年足らずで島田屋精米商店を復活させました。しかし、統制米の時代のため商売が思うようにいきません。そこで清雄は小麦に着目し、製粉・製麺業を始めました。また、事業の主軸を、父と祖父が製粉とうどん作りを行っていたこと、自身も軍隊時代にうどんを作っていたことにより「うどん」にしました。ここに「めんのシマダヤ」が産声をあげたのです。
「島田屋商店」の由来
創業者 牧清雄の出生の地、愛知県愛知郡天白村大字島田(現・名古屋市天白区島田)に由来。
創業者の牧清雄(17歳の頃)
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栄養玉うどんの開発
1949年(昭和24年)3月、牧清雄は株式会社島田屋を設立しました。会社設立後、清雄は全国の同業者調査に乗り出し、そこで大阪の玉うどんに出会いました。小ざるに入れて湯を通し、器に盛ってつゆをかけるだけで食べられる手間のかからない玉うどんは、清雄のうどんの常識を根底から覆しました。名古屋に戻った清雄は玉うどんの製造を開始し、委託販売先を開拓しました。契約店舗数はすぐさま70店を超え、玉うどんの販売は急速に伸びていきました。しかし、同業者の参入により熾烈な価格競争に見舞われました。この窮地を乗り越えるため、島田屋は同業者を集めて愛知玉麺協同組合を設立し、玉うどんの自動製造機械「新方式(回転式)茹で麺釜」を共同開発することで、失地回復に成功しました。
次なるねらいである学校給食への参入のため、栄養価の面でも納得されるうどんの開発に取り組みました。完成した「栄養玉うどん」は、ビタミン類の構造に変化がなく、カルシウムを含めた栄養素も驚異的な数値を示すなど、文字どおり「栄養価の高いうどん」として認知されました。
※栄養玉うどんは現在発売されておりません。
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会社設立当時の従業員
栄養玉うどんのショーケース
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日本初自動茹で麺装置の開発
1951年、島田屋は名古屋から東京へ進出しました。東京進出後、1953年の目黒工場を皮切りに工場を増設していきました。
その傍ら、うどんの品質向上、安全・安心を目指し、麺の包装技術として次の3つの課題に取り組みました。
①うどんを衛生的かつ見栄えの良い形で売ること。
②日持ちのよい商品にすること。
③スーパーマーケットのセルフサービス方式に対応すること。
独自の技術により、包装処理方法を開発し、日持ちを向上させました。この方法は業界で大きな反響を呼びました。
さらに、麺作りの自動化に取り組み、1960年、日本初の自動茹で麺製造装置を開発し、茹でムラが多かった麺の品質を飛躍的に改善しました。
1963年には、ポリエチレンで密閉包装した麺を蒸気殺菌し、常温で日持ちする完全包装麺を開発。また、そのすべての工程を自動化する日本初の完全包装麺専用工場が完成し、翌年には常温で数カ月保存可能な「完全包装麺」の量産化を実現しました。
1955年 社章を制定
取締役であった牧順がデザイン。周囲に4つのマ(シマダ)を配置し、中央に田(ダ)を置くことで島田屋を表現。
自動茹で麺装置を開発
社章
商品開発力の加速
生産設備の拡充は商品開発力を加速させました。1965年にはたんぱく質の含有量を増やした高カロリーの「スタミナうどん」、1972年はもち質澱粉を混ぜた「もちもちうどん」などを開発しました。
1977年2月には、牧清雄が代表取締役会長、牧順が代表取締役社長に就任して経営体制の強化を図るとともに、商品開発力の強化を更に推進しました。
1978年には冷凍麺を開発し冷凍麺の実用化に取り組み、1980年には開発研究所を開設し、商品開発から設備開発、製品検査、特許関連など、幅広い業務を行いました。
また、1980年10月には東京工場内に冷凍麺工場が完成し、翌年から本格生産を開始しました。さらに、1985年の「科学博つくば’85」に出店するなど冷凍麺の普及に努めました。
※スタミナうどんは現在発売されておりません。
1966年 社歌制定
創業35周年記念行事の一環として社歌を制定し、記念式典の席上で発表しました。
1972年「無限大シンボルマーク」制定
社是「奉仕努力」と発展をモチーフに「無限の奉仕」「無限の努力」「無限の発展」をシンボル化し、永年の反映を希うシマダヤの「S」を表現
島田屋本店直売所
無限大シンボルマーク
近代的製麺工場の完成
1980年、それまでの衛生管理方法から、お客様の安全・安心や信頼を重視し、チルド麺は新たに開発した「クリーン&コールドシステム」に、包装麺は乳酸処理方法に切り替えました。
創業50周年を迎えた1981年、「全自動の無人化工場建設計画」を発表し、2年後の1983年4月、「クリーン&コールドシステム」を実現した日本初の近代的製麺工場が完成しました。「クリーン&コールドシステム」の実現は麺業界の歴史を塗り替えるエポックメーキングと言えました。
※「クリーン&コールドシステム」とは・・・加熱殺菌を必要としない製法で、微生物が付着しないための徹底した衛生管理下での製造、冷却水で徹底的に冷した後の冷蔵(コールド)保存、そのままの状態での輸送を特長としています。
1982年 CI導入
健康性とデイリーフーズの親しみやすさを「赤い窓」で、麺の伸展性・粘弾性・みずみずしさを「白い木」で表現
「クリーン&コールドシステム」のコンピューター制御室
1982年当時のCIマーク
「流水麺」の発売
1988年以降、島田屋本店はマーケティング手法を取り入れた数々の新商品を開発しました。
最も代表的な商品が1988年に発売した「流水麺」です。「流水麺」は“夏場に火を使いたくない”、“茹でるのが面倒”というニーズから生まれました。“茹でずに水でほぐすだけで食べられる”技術は「月に行くより難しい」と言われましたが、試行錯誤を繰り返し発売にいたりました。「流水麺」は1989年1月、「年間優秀製品賞」(日経流通新聞)、1990年1月には「第19回食品産業技術功労賞-技術アイディア部門」(食品産業新聞)を受賞するなど、ヒットしました。その後毎年ラインアップの拡充や品質改良を重ね、2021年には発売32年を迎えました。
このほか、現在も販売されているロングセラー商品もこの時代に誕生しました。常温で100日間日持ちする「長持ち麺」(1988年)、手打ち風もみ打ち冷し中華(1988年 現「もみ打ち」生冷し中華)、太めの麺が特長の「鉄板麺」(1991年)、冷たい中華麺を冷たい和風つゆにつけて食べる「ざる麺」(1992年 現「もみ打ち」ざる麺)など、数々の商品を開発しました。
「流水麺」ブランドページはこちら
発売当時の「流水麺」
当時のテレビCMの広告
島田屋本店からシマダヤへ
「より強い、より良いシマダヤ」を目指す一環として、1997年4月社名を島田屋本店から「シマダヤ株式会社」に変更しました。社名変更の狙いは2つありました。
①商品のブランド名が「シマダヤ」として消費者に浸透していること
②社名とブランドを名実ともに一致させること
さらに、2代目社長の牧順が会長に就き、副社長の近藤郁雄が3代目社長に就任しました。
1998年には「品質は全てに最優先」とする経営方針のもとに、HACCP導入への取り組みを開始しました。Codex(国際食品規格)のガイドラインに基づいてシマダヤHACCPの基準を策定し、各工場への指導や認定、適合審査行いました。シマダヤHACCPは改善・改良が加えられ、シマダヤの安全・安心の基盤を築きました。
また、2002年には新時代の物流に対応する機能を備えたサプライチェーン基地として、シマダヤロジスティクスセンターを開設しました。
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創業65周年記念式典
経営コンセプトセブンビジョン制定
2003年1月、東京商工会議所(東商ホール)において、「シマダヤNew Vision発表会」が開催されました。発表会では、「Shimadaya Seven Vision」として、新たに掲げた経営コンセプト「おいしい笑顔をお届けします」と7つのビジョンが発表されました。
さらに、2003年6月、安田生命ホールにおいて「シマダヤCI発表会」が開催されました。新しいCIでは、「おいしい笑顔をお届けします」をコーポレートステイトメントとし、新たにシンボルマークが制定されました。
2006年には3代目社長の近藤郁雄が代表取締役会長に就き、常務取締役の木下紀夫が4代目社長に就任しました。
新CIマークの制定
2つの円はシマダヤとお客様の「心のクロスコミュニケーション」を意味し、5枚の花弁は「日本の代表的な花」として誰からも愛されている桜や梅を、真ん中の笑顔は経営コンセプトである「作る喜び・食べる喜び・お客様の笑顔」を表現。
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シマダヤNew Vision発表会
現在のCIマーク
2004年
環境への取り組みISO14001の認証取得
2003年シマダヤは環境推進室を新設し、ISO14001の認証取得に向けた取り組みを開始しました。2004年7月、「シマダヤ環境マネジメントシステム」がISO14001審査登録(認証取得)を達成し、本社、SLC、開発研究所、6支店、4出張所及び東京シマダヤ㈱(現 シマダヤ関東㈱東京工場)の14事業所が登録されました。その後、対象事業所を拡大し、2021年現在はシマダヤ㈱と全グループ工場が認証を取得しています。2006年からはシマダヤグループの環境取り組みをまとめた「環境報告書」(現 社会・環境報告書)を発行しています。
また、環境に配慮した商品開発に取り組み、水・火・時間の節約ができる「流水麺」や、プラスチックトレーをなくした「エコスリム包装」を実現しました。
シマダヤの環境への取り組みはこちら
環境基本方針
エコスリム包装のマーク
さらなる安全・安心を求めてFSSC22000の認証取得
2011年2月、お客様への安全な商品とサービスの提供を遵守するうえでの行動規範として、「品質理念」、「品質基本方針」を明文化した「シマダヤ品質基本方針」を制定しました。当方針では品質を商品品質としてだけで捉えず、組織や活動の質と定義しています。
2014年1月には、さらに商品の「安全・安心」への信頼性を高め、レベルアップしていくため、FSSC22000に取り組む方針を示しました。各工場において認証取得に向けて取り組みを推進し、2015年3月岐阜工場を筆頭に、2020年2月には兵庫工場で認証取得し、全グループ工場が登録されました。
FSSC22000とは・・・食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000と、ISO22000の前提条件プログラムの一部を具体化したISO/TS 22002-1及び追加要求事項を統合したもので、食品の安全性確保の仕組みとしてGFSI(Global Food Safety Initiative)が承認したスキームです。
品質基本方針
新たなるスタートメルコHDの食品事業会社として
2018年4月1日、シマダヤはメルコホールディングスの食品事業会社として新たにスタートしました。
また、同時期にシマダヤグループ経営の強化およびグループ体制の整備を目的に、生産工場を3社12工場に再編しました。(現在は3社11工場)
シマダヤはこれからもグループ全体での品質と安全・安心の取り組みを進め、皆さまへおいしい笑顔をお届けします。
ニーズに応える商品づくり機能性表示食品の開発
シマダヤは1951年の栄養玉うどん、1965年のスタミナうどんをはじめ、1984年の無塩うどん、2005年の減塩つゆなど、お客様の健康志向にお応えする商品を開発してきました。
年々高まる健康志向に対し、2013年には食塩無添加「本うどん」(現「健美麺」食塩ゼロ本うどん)、2015には「本うどん」糖質40%オフ(現「健美麺」糖質40%カットうどん)など、ラインアップを増やしてきました。
また、家庭用商品だけでなく、業務用商品においても食塩ゼロや糖質カット、食物繊維などに着目した商品を発売しました。
2019年には食後の血糖値上昇を抑える機能を持った、チルド麺初の機能性表示食品を開発しました。また、シマダヤの健康価値商品を包括するブランドとして「健美麺」を立ち上げました。シマダヤはこれからも健やかな食生活をサポートします。
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「健美麺」食後の血糖値上昇を抑えるうどん